第1回インターンシッププログラム 実施状況
(1) 2024年2月20日(火) 安芸太田町川・森・文化交流センター
講義・演習 | 一人ひとりの学ぶ力を引き出す授業のデザイン①② | 主体的・対話的で深い学びを実現するための手法の一つ「知識構成型ジグソー法」について学び、授業研究の視点について考える。 |
講義・演習 | 主体的・対話的で深い学びの質を支える授業研究 | 仮説検証型の授業研究 事前の想定と実際の子どもの学び事実とを比較し分かったことを共有し、次の授業に生かせそうな仮説を得る。 |
演習 | 学瞰システム※を活用したオンデマンド授業研究 | 翌日の研究授業の学級の学習の記録(学瞰システム)を活用し、これまでの講義・演習に基づき、仮説検証型の授業研究を実施。 |
※学瞰システム
CoREFが開発したグループでの対話を記録するシステム。360°カメラの映像と個別の発話を記録し、ビデオ記録とともに個の発話を書き起こすことができる。
1日目の振り返り
・見とりのむずかしさ。発言以外にも考えているところを見とるためには、想定が大切だということを学びました。 ・互いに違う考えを深めるためには、相手と違う考えを話し、違う意見を言える場の一つとして知識構成型ジグソー法が有効である。 ・対話をとおして何を学ばせるかを明確にする必要がある。 |
(2)2024年2月21日(水) 安芸太田町立筒賀小学校
事前協議 | 簡易授業体験として研究授業での児童の学習を予想する。 |
授業者の先生から | 研究授業実施の5年生担任から、本時の想定、普段の児童の様子を聞く。 観察する児童を割り当てる。 |
授業見学 | 3校時 5年算数「円周率」 割り当てた児童を中心に観察する。 |
前時の交流 | 3校時の児童観察を交流する。 |
管理職へのインタビュー | 校長、教頭に学校経営、教育方針について質問する。 (学生からの主な質問) ・ジグソー法を定着させるねらい ・自然なコミュニケーションがとれる児童を育成する手立て ・校長先生が児童一人ひとりの特性を把握しておられるのはなぜか ・「主体的・対話的で深い学び」としてジグソー法を取り入れた理由 |
給食 | 児童といっしょに 5年、6年は教室、他はランチルーム (学生はそれぞれに分かれて児童と一緒に) |
研究授業 (合同校内研修) | 5校時 5年算数「四角形と三角形の面積」知識構成型ジグソー法 学瞰レコーダーによるグループ協議を記録。 割り当て児童を観察し、事前の想定と比較し記録する。 |
授業者との対話 | 研究授業を実施した担任に、本時のねらいと児童の想定を交流。 |
研究協議 (合同校内研修) | 筒賀小教職員と合同でグループ協議 割り当て児童の観察結果から、想定と比較し児童の思考過程を考察、授業改善に向けて協議する。学瞰レコーダーによるグループ協議の記録も活用。 |
活動の様子
2日間のプログラムを通じての感想、印象に残ったこと
・公立の小学校での学習を見学できる貴重な場というだけでなく、ジグソー学習を軸とした協調学習の実践や児童中心の授業研究など、今まで想像していた授業に関わるイメージとは別の在り方を学ぶことが出来た。これらの経験を今後の大学生活や教員になった後に活かしていきたい。(3年生) 何か一つでも収穫があればと望んだ講座でしたが、両日とも新しい発見ばかりでまた何度でも来たいと思えるものでした。子供のことを観察することに関しては実習で学んだつもりでしたが、その倍以上の学びを2日間で得ることができました。(3年生) ・知識構成型ジグソー法という主体的・対話的で深い学びを実現するための授業の具体的な方法を知り、先生の授業デザイン一つで子どもたちは、周りの友達との対話を通じて学びを深めることができることを感じました。子どもたちが持っている学ぶ力、対話する力の大きさや、それに大きな影響を持っているのが授業デザインであり、子どもの思考を想定しつつ一つ一つの教材や発問を工夫していくことの重要性など、本当にたくさんのことを学べました。また、筒賀小学校の先生方が本当に子ども一人ひとりが輝ける授業をしたいという強い思いを持っていることや、たとえ小さな子どもの気づきや成長であってもしっかりと見ていこうとされている姿が印象に残りました。(3年生) ・まず本当にこのプログラムに参加してよかったと心から思えました。最初はお偉いさんがいっぱいいて、先輩ばっかりで、来る場所間違えたかもしれないと思いましたが、講義での討議や授業での討議、いろんな話し合いを重ねて、自分自身の教育に対する考え方や、価値観が大きく変わりました。現場の先生が生き生きと授業されている姿や、一生懸命思考を巡らせている子どもたちを見て、本当にこんな場所で働きたいと思ったし、こんな先生になりたいと強く思いました。小規模校ならではの良さもたくさん知ることが出来たし、広島市で採用試験を受けようとしていたのを、広島県で受けようかななんて思ったくらいです(笑)教員という仕事のやりがいを改めて再認識することができました。(2年生) |
教員就職意欲の向上について
・参加前も教員を志望していましたが、大変さがやりがいや楽しさを上回ってしまうのではないかといった不安を抱いていましたが、先生方の楽しそうな様子を見てこんな学校でなら喜んで働くという気持ちになりました。(3年生) ・今年実習があることもあって教師になることに対する不安が最近は大きかったのですが、この2日間を通して、教師という職業の素敵なところにたくさん触れられたなと感じるとともに、こんなふうに子どもたちと学校生活を送ることができたら幸せだろうなと、ふと考えていました。(2年生) ・筒賀小学校の先生方と協議する中で、子ども像主体で振り返りをされる姿を見たり、管理職の先生方までもが謙虚に学ばれている姿を見たりして、教員はより多くの人から学び続けることができるクリエイティブな仕事であると再認識することができたため。(3年生) |
児童の学びの過程に焦点をあてた授業研究について
・授業研究はただ授業の内容を協議し合うだけではなく、子どもたちの視点から授業を見て、子どもたちにどんな学びをさせるか、どのように学ばせるか、子どもたちが何を学んだかを考えることが大事だということを新たに知りました。(2年生) ・教師の指導方法が主な議論にあがるものだと認識していたが、今回学んだ授業研究では、児童がどのように考えていたかに主眼が置かれており、このような議論があるからこそ、児童の考えを伸ばす授業作りが可能なのだと感じた。(3年生) ・視点が変わった。これまでは授業者の手立てばかり見ていたが、手立てがどのような背景の児童に、どんな影響をもたらしたかまでみることが大切であると知った。(3年生) 教材研究の深さもそうですが、子どもたち一人ひとりの動きをイメージして、授業1時間を想像する大切さを知りました。(3年生) |